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人材要件定義とは?人材要件を定義する方法と採用成功のポイント

作成者: e-falcon|2025/10/03

採用活動において、「自社にマッチする人材が採用できない」「面接官ごとに評価が異なり一貫性がない」などの悩みを抱えている企業は少なくないでしょう。

その原因の一つが、人材要件の定義が曖昧であることです。

評価基準を統一し採用ミスマッチをなくす上で重要な人材要件定義について、人材要件定義の方法や人材要件定義を採用成功につなげるためのポイントを解説します。

人材要件定義とは

人材要件定義とは、採用したい人材の条件を定義することを指します。

採用の精度を高めてミスマッチをなくすこと、面接官の評価基準を統一することなどを目的に、多くの企業で導入されています。

人材要件定義の項目は企業によってさまざまですが、代表的なものには次のような項目が挙げられます。

  • 必須の経験・スキル・資格
  • あれば歓迎する経験・スキル・資格
  • 価値観・行動特性・志向などの人物像
  • 自社のカルチャーやビジョンへの共感
  • 期待する役割

新卒採用と中途採用で、どの項目がより重視されるのかは異なります。

新卒採用の場合は価値観や行動特性などの人物像、中途採用では経験やスキルが重視されることが多いでしょう。

人材要件は、新卒採用か中途採用かだけでなく、募集するポジションや業務内容に合わせて、その都度定義することで、より採用のミスマッチを減らし採用活動を効率化することができます。

人材要件定義が重要な理由

人材要件定義が重要な理由にはどのようなものがあるのでしょうか。人材要件定義が重要な理由には、大きく分けて確認していきましょう。

評価基準を統一するため

人材要件を定義していないと、面接官同士、また人事と現場との間で「採用すべき人物像」の認識がばらばらになり、結果的に自社にマッチしない人材を採用してしまう可能性があります。

事前に人材要件を定義しておくことで、面接官や人事が共通の基準で候補者を評価することが可能になり、公平性と一貫性が保たれます。

採用のミスマッチを防ぐため

人材要件を定義することで、「どんなスキルや経験を持つ人材を採用すべきか」「どんな価値観を持つ人材は自社に合わないか」を明確にすることができます。

この人材要件を軸に採用を行うことで、スキルや価値観の不一致による早期離職や、成果不振といったミスマッチのリスクを減らし、長く活躍できる人材を採用しやすくなります。

採用活動の効率化を図るため

採用すべき人材の要件が定義されていれば、求人票の作成や書類選考、面接評価などの各プロセスにおける判断軸が一貫し、ブレを減らすことができます。

ブレが減れば、選考にかかる余計な時間を減らすことができるため、採用活動の効率化を図ることにもつながります。

採用後の育成・評価の指針にするため

人材要件に、期待する役割や成長の方向性などが明文化されていれば、入社後の育成や人事方針にも活かすことができます。

上司と社員の間で、入社時から目標や価値観の共有をしやすくなるため、育成や評価がスムーズに行えるでしょう。

人材要件を定義する方法

人材要件を定義するには、業務内容、人物像、必須スキルなどを段階的に整理し、明文化することが大切です。

人材要件を定義する具体的な方法を見ていきましょう。

現場へのヒアリングを行う

人材要件は、採用した人材が実際に働く現場と、人事担当者の間で認識が一致していることが最も重要です。

そのため、まずは現場へのヒアリングを行い、業務の実態や現場の課題を明らかにした上で、必要なスキルや人物像などを具体的に言語化していきましょう。

過去に早期離職した人や活躍できずに異動した社員がいれば、どのような特徴がミスマッチにつながったのかを挙げていくことで、人材要件定義に役立つ場合もあります。

業務内容を正確に把握する

現場へのヒアリングや管理職へのヒアリングを通じて、募集するポジションの業務、役割、責任範囲を明確にします。

日々どのような業務をおこなうのか、使用するツールやスキル、チームや関連部署との関わり方、期待される成果などを洗い出していき、これをベースに必要なスキルや経験を可視化していきます。

業務内容をあいまいなままにしたり、どのようなポジションにも当てはめられるように広く定義したりすると、採用の成功につながる人材要件の定義からはかけ離れてしまうため注意が必要です。

求める人物像を言語化する

採用するポジションと同じ職種や近いポジションで活躍している社員の共通点を分析することで、求める人物像を言語化することも重要です。

その行動特性や価値観、思考パターンの可視化には、本人や周囲へのヒアリングとあわせて、適性検査を実施することが有効です。

活躍人材はどんなスキルや経験を持っているのか、どのようなコミュニケーションをとっているか、問題解決への姿勢などをできるだけ詳細に把握し、自社のカルチャーも反映することで、長く活躍できる人材を採用するための要件を定めることができます。

項目を必須要件と歓迎要件に分けて整理する

人材要件に盛り込みたい項目が出揃ったら、優先順位をつけて整理しましょう。

採用の最低条件となる経験年数、資格、スキルなどは必須要件として、あると望ましいがなくても入社後に育成可能なスキルなどは歓迎要件として定めておくことで、応募のハードルが高くなることを防ぎつつ、適切な人材を採用することができます。

関係者の合意を得る

人材要件の原案ができあがったら、採用責任者・現場・人事での認識のズレを防止するために、共有とすりあわせを行いましょう。

求める人物像にズレはないか、評価基準として納得できるか、実現可能な要件になっているかを確認し、それぞれの合意を得ることで、人材要件の形骸化を防ぐことができます。

人材要件定義を採用成功につなげるためのポイント

人材要件定義を採用の成功につなげるためには、単に条件をリストアップするだけでなく、実際の採用活動や選考フローにどう活かすかという点が重要です。

人材要件定義を採用成功に直結させるためのポイントを紹介します。

職務にあわせて要件を定義する

採用成功につながる人材要件を定義するためには、「コミュニケーション能力が高い人」といった抽象的な表現ではなく、「顧客との折衝において論点を整理し提案できる人」など、実際に担う職務に基づいて、明確な要件を定めることが大切です。

「リーダーシップがある人」は「5名以上のチームを率いてプロジェクトを完遂した経験がある人」、「主体性のある人」は「指示がなくても自ら課題をみつけて提案や解決をしたことがある人」など、求める役割や経験を言語化して反映しましょう。

求人情報や選考プロセスに要件を反映させる

書類審査では人材要件に定められたスキルや経験があるか確認する、面接では価値観や行動特性を深堀できる質問をするなど、人材要件定義をしたあとは選考プロセスへの反映が不可欠です。

また、求人情報に人材要件を反映することで、求める人物像や訴求ポイントが明確に伝わるようになり、よりマッチした人材を募ることができます。

適性検査を活用する

社内の活躍人材に適性検査を実施することで、共通する価値観や行動特性がわかり、求める人物像の可視化に役立ちます。

また、求職者に適性検査を実施することで、「地頭が良さそう」「落ち着いている」など主観に頼りがちな判断を、検査結果をもとに客観的に行うこともできます。

採用後の活躍と照らし合わせて見直す

人材要件を定義したら、それをもとに採用ができたら終わりではなく、採用した人材が実際に活躍できているかどうかを振り返り、定期的に改善していくことが大切です。

活躍できている人材はどの要件に合致しているのかを分析し、PDCAを回すことで人材要件の制度が高まります。

採用成功につながる人材要件定義にeF-1Gを活用

採用成功につながる人材要件の定義には、業務内容や必須スキルの把握などとあわせて、活躍人材の共通点を分析し、要件に反映することが大切です。

活躍人材に共通する性格や行動特性は、本人や周囲へのヒアリングでも把握できますが、隠れた志向性まで詳細に洗い出したい場合には、適性検査の活用が適しているでしょう。

適性検査の「eF-1G」なら、ポテンシャルや特性を細かい粒度で測定でき、自社で長く活躍できる人材要件の定義に役立てることが可能です。

人材要件の定義により採用の成功を叶えたい方は、ぜひ一度「eF-1G」の無料トライアルをお試しください。