導入事例インタビュー
適性検査で「"さくら”らしさ」を言語化。面接の標準化と人材の見極めに手応え


さくらインターネットは、1996年創業のインターネット企業です。「さくらのクラウド」「さくらのレンタルサーバ」「さくらのVPS」などのクラウドコンピューティングサービスを、自社運営の国内のデータセンターから提供しています。「『やりたいこと』を『できる』に変える」の企業理念のもと、お客さまのご要望にお応えする多様なサービスを開発し、あらゆる分野に対応するDXソリューションを提案します。
https://www.sakura.ad.jp/corporate/社員が急増しており、採用における「”さくら”らしさ」のハイコンテクストな共通認識にゆらぎが生じてきている
採用人数の増加と共通認識のゆらぎが原因で生じるミスコミュニケーションのリスクを懸念
適性検査eF-1Gを用いて「”さくら”らしさ」を定義し、共通認識の言語化に成功
共通認識に基づき面接が標準化され、「”さくら”らしさ」を持つ人材の評価が向上
日本だけでなくアジアにおいて官民のデジタル化を支える「デジタルインフラトップ企業」を目指すさくらインターネット株式会社様。2023年にデジタル庁が募集した「ガバメントクラウド整備のためのクラウドサービス」(以下、ガバメントクラウド)の条件付き認定を受け、世間からの注目を集めています。
今回は、大きな機会を得て新たな成長軌道へシフトする同社の人事戦略をリードするES(Employee Success)本部の武村様と五明様に、適性検査「eF-1G」導入の背景と、その成果について詳しくお話を伺いました。
価値観や文化が織りなすさくらインターネットの魅力
貴社の事業内容と自己紹介をお願いします。
武村様
さくらインターネットは、クラウドコンピューティングサービスを提供するデジタルインフラ企業です。創業のきっかけは、社長が高専生の時代にインターネットという技術に出会い、友人知人にサーバーを貸し出したことからスタートしました。現在では、レンタルサーバーのみならず、データセンターの運営など幅広くデジタルインフラ事業を行っています。2011年には「さくらのクラウド」をリリースし、2019年には物理サービスからクラウドサービスに集中し、物理的なサーバーをソフトウェアでクラウド化して提供するサービスを展開しています。
私は、中途入社でさくらインターネットに入ったのですが、前職では転職エージェントとしてさくらインターネットの企業担当をしていました。IT業界が好きで、デジタルインフラはITの根幹だと感じており、その中でも世の中を変化させようとチャレンジしている会社がさくらインターネットだと思い、その事業の魅力や組織の雰囲気に惹かれて入社しました。現在は、ES本部の人材企画部で採用や異動などの仕事を担っています。
五明様
私も中途入社でさくらインターネットに入りました。理由は、さくらインターネットには、3つのバリュー(「肯定ファースト」「リード&フォロー」「伝わるまで話そう」)というものがあるのですが、それが私の大切にしていたものとマッチしていたからです。
前職では、新卒採用を担当していたのですが、自身の幅を広げていきたいと考えていて、さくらインターネットの人に対する考え方や、裁量を持ってお仕事できるところに惹かれ転職を決めました。
入社してから改めて実感したさくらインターネットの魅力は、社員の皆さんがしっかりと共通の価値観を持っているので判断がぶれないこと、やりたいことを尊重し合う風土や現場の意見を大事にする文化です。上下関係はあまりなく、同じテーブルの上で対話しながら決めていくのがいい雰囲気だと思います。

ガバメントクラウド認定※による組織の変化
デジタル庁から国内初のガバメントクラウドに認定※されたと伺っています。ガバメントクラウドとはどのようなものなのか、また周囲から注目された理由を教えていただけますか。
武村様
ガバメントクラウドとは、政府共通のクラウドサービスの利用環境 のことです。
これまでは外資系企業が中心でしたが、日本企業の参入を求められる中で当社が認定を受けました。ただし、現時点では条件付きの認定で、2025年度末までに 技術要件を満たすサービスを提供する必要があります。世間からの期待が集まっており、進捗状況を定期的に開示しながら、エンジニアの方々が中心となり全力で開発を進めています。
ガバメントクラウドの認定※を受けたことで、社内にどのような変化がありましたか。
武村様
社内的には「大きなチャレンジに取り組むことへの緊張感」と、それに伴う「開発体制の変化」がありました。現在は開発のスピードや品質に対する意識が高まり、チームの体制や役割分担を見直しています。また、会社の成長に伴い、2024年度は200名近い採用を行っており、組織が大きく変化しています。
人事戦略の観点から、どのような取り組みをされていますか。
武村様
当社では、社員の成功(ES)とお客様の成功(CS)の実現を重視しています。
ESの実現に向けて、働きがいと働きやすさの両面から取り組んでいます。働きやすさの面では、残業時間の削減や有給取得の推奨など、社員が健康で働きやすい環境づくりに注力しています。また、人材育成、多様な人材の活躍促進、チャレンジ文化の醸成、フレキシブルな働き方の実現など、5つの柱を立てて人事戦略を推進しています。

適性検査で「”さくら”らしさ」を定義、最終面接に上がってくる人材の質が向上。
新卒採用の観点から、適性検査eF-1Gの導入に至った経緯を教えてください。
武村様
会社の規模拡大に伴い、新卒採用の人数を増やしていく中で、「”さくら”らしさ」を言語化する必要性を感じていました。これまでは顔が見える範囲の人数で採用していたため、「”さくら”らしさ」の共通認識が持てていましたが、採用に関わる人が増えるにつれてミスコミュニケーションが生じるリスクがありました。そこで、適性検査を活用して「”さくら”らしさ」を定義し、共通言語化することにしました。
実際にeF-1Gを活用して、採用要件の定義にどのように取り組まれたのでしょうか。
五明様
まず、現在の社員にeF-1Gを受けてもらい、さくらインターネットの傾向値を把握しました。また、上長や社員へのヒアリングを行い、「”さくら”らしい行動」や「活躍する人材」の特徴を洗い出しました。定性的な情報と定量的なデータを組み合わせながら、「”さくら”らしさ」を言語化していきました。経営陣とも定期的に議論を重ね、コンセンサスを得ながらプロジェクトを進めました。
武村様
採用要件が言語化されたことで、面接官が共通の質問をすることができるようになり、面接が標準化されました。「”さくら”らしさ」を持つ人材を見極め評価しやすくなったため、面接官の判断が適切になり、面接の質向上につながりました。
今回の取り組みで定義できた「”さくら”らしさ」に点数をつけると。
武村様
80点ぐらいの納得感があります。特に、「社内外の多くの人と連携する力」というさくらインターネットらしさを言語化できたことは大きかったですね。フラットな組織運営を目指す中で、連携力は重要な要素だと感じていたので、適性検査の結果と合致していて納得できました。

候補者体験、従業員体験のさらなる向上に適性検査データ活用
あと20点の余地がありますが、今後は、どのような改善や展開をお考えですか。
武村様
そうですね。3つあると考えています。
1つ目は、中長期的な事業成長に向けて、さくらインターネットの価値観やDNAに新たな変化をもたらす人材の可能性を見出せるようにすることです。「”さくら”らしくない」人を採用するという話ではなく、「”さくら”に変化を起こせる人材」をしっかり言語化し、選考で見出し、採用できるようにしたいと考えています。
2つ目は、今回仮説的に「”さくら”らしさ」を言語化したわけですが、その精度を高める取り組みや、面接の中でその人の可能性を見出すためのコミュニケーションの仕方や選考のプロセスの改善です。
3つ目は、「”さくら”らしさ」を採用だけでなく、社内全体への浸透を図り、採用活動だけでなく組織全体に価値を提供できるようにすることです。
五明様
採用活動における改善点としては、インターンシップの活用や、現場社員を面接に入れるなどの工夫が考えられます。また、候補者体験や従業員体験の向上に向けて、適性検査データの活用が期待できると考えています。
あらためて求める人材像を明確にする意義を感じることができました。「”さくら”らしさ」をさらに磨き、さらには「”さくら”に変化を起こせる人材」についても言語化できるように私たちもサポートしていきたいと思います。本日は貴重なお話をいただきありがとうございました。
※ 2025年度末までに技術要件をすべて満たすことを前提とした条件付き
ページ上の各種情報は、取材時(2025年1月時点)のものです。適性検査eF-1G(エフワンジー)にご興味がある方はこちらをご覧ください。